2014年12月28日日曜日

ダイオードDBMを作った

ダイオード4本とトランス2つを使用したDBM(Double Balanced Mixer)を作った。

スーパーヘテロダイン受信機などの内部で周波数変換を行う際に使われていたりする。
局部発振器の信号でダイオードをスイッチ動作させて、入力されたRF信号を中間周波数に変換する。動作原理はググルと分かりやすく解説してあるサイトがいくつかあるので省略する。

以前、スイッチング電源のラインフィルタに使われているフェライトコアで試作していたが、大きすぎて邪魔なのと、周波数特性が多分良くないと思われるので小型に作りなおした。

なお、ラインフィルタを利用したDBMは、HF帯をアップコンバートしてSDR受信機で受信する際に使用していた。(一応動作していた)

作製したDBM。ダイオードはHSM2838CTLというのを使った。
1つのパッケージ内に2つのダイオードが入っているが、今回ダイオードブリッジを組む際にはカソードコモンは役に立たない配置だったw

ラインフィルタDBM()との大きさ比較。


使用したコアとUEW。
コアは秋月電子で販売されているアンテナ分配器を分解して取り出した。
リンク先の分配器にはこのコアが3つ入っている。3つとも若干大きさが違っていた。
UEWはφ0.08mmをトリファイラにしている。


8回巻き(穴を8回UEWが通ってる)。

ボサッ 

トランスの周波数特性をGigaStにて測定した。

100MHzまでは良好。

それ以上は減衰が目立ったり変に共振してたりする。
UEWが細い&8回も巻いているので線間容量とコアとの静電結合が大きくなっており、漏れインダクタンスと共振してるのかな。

センタータップ付きのトランスとなるように結線する。

丸ピンソケットを分解して、、

ピンを取り出す。基板にはピンの直径より若干小さいくらいの穴を開けておく。

奥まで差し込んではんだ付けすると良い感じに足を生やせる。

Lo:20MHz Fin:1MHz。
混合されて20±1MHzの信号とLoが見える。
Finの信号はスパン外で見えていないが。。。

Lo:24MHz Fin20MHz。
スプリアスだらけで汚いw

DBMを作っていて気がついたんだが、DC受信機にこのDBMを使用するとめちゃくちゃ感度が落ちるよな~と。
音声周波数帯域はこのトランスじゃめちゃんこ減衰するよねぇ... 入力信号が十分に強力なら若干通るけど。
いや、IF信号を取り出す場所をトランスの中間タップにすれば問題ないか。

~おわり~


2014年12月25日木曜日

1segアンテナ、チューナ

この状態で測定
アンテナの同軸ケーブルにはRG-174が使われている。

508, 560, 624MHz付近にディップあり

小さい..

リモコン受光素子付き

MCXコネクタだと使いにくいので汎用性のあるSMAコネクタに取り替えた。



2014年12月24日水曜日

10MHz LPF

備忘録のためほとんど画像

テストしたフィルタはW1GHZ氏が設計されていたもの。
GPSモジュールから出力される10MHz矩形波を正弦波に変換するために設計したようだ。
"10MHz Filter for GPS"などと検索するとイロイロヒットする。


特性測定のために仮組み立てした10MHz LPF

GigaStで測定。
低周波はGigaStは苦手...

以前作っていた10MHz信号源内部のLPFをパスして今回のLPFを取り付ける。

-20dBアッテネータを入れて測定
左:LPF無し 右:LPFあり

-10dB アッテネータを入れてオシロのBNCコネクタに直結して観測
きれいな正弦波が出ている。

-30dBのアッテネータ入れてGigaStで観測するとスプリアスはフロアノイズに埋もれて殆ど見えない。
22MHz付近のピークはGigaSt内部で発生しているのか、無信号入力時にも見られる。

過大入力時。ふぇぇ:;(∩´﹏`∩);:


空芯コイルの代わりにジャンク箱に落ちてたトロイダルコアで試してみた。
インダクタンスはほぼ同じになるように巻き直している。

ん~ ダメですねw
特性の分からないコアは使いにくい

2014年12月20日土曜日

超短縮アンテナ?

FM放送受信用のヘリカルホイップアンテナの実験。

SMA-PのコンタクトとPEWをはんだ付け。
PEWはφ0.35mm。

前回作ったリターンロスブリッジで共振周波数を合わす。
ビニールテープを巻くと共振周波数が下がるので高めに合わしておく。
巻いたあともコイル部分に樹脂や金属を近づけるとかなり共振周波数は変動する。




全長40mmほど

付属のアンテナ(144/440MHz)では受信できないが...



共振周波数を合わせておくと物理的長さが短くても受信できた。共振って面白い。


~おわり~







アッテネータを作った

GigaStスペアナの許容最大入力電力は0dBm。
これを上回る電力を扱う際に壊さないようにアッテネータを作った。
過大入力があるとスペアナ内部でスプリアスが発生して正常に計測できない原因にもなる。
また、アッテネータの前後でインピーダンスのミスマッチがあっても緩和できる(反射波を吸収)。

広帯域受信機の内蔵アッテネータで対応できない時にも使えそう。

減衰量-10dBと-20dBの2種類を作った。
文字が擦れて消えないように梱包用透明テープで保護してある。

どちらとも秋月電子の10dBアッテネータ用抵抗セットをそのまま使用した。

-10dB直列で-20dB...


銅板を抵抗付近に近づけたほうが高域での暴れが少なくなったので追加。

-10dBアッテネータの内部。

~~~ 特性測定 ~~~

-10dBアッテネータを測定。
1000MHz付近の段差はGigaStのレンジ切替で発生してるっぽい。
2000MHzまで使えそう。

-20dBアッテネータを測定。
1400MHzを超えた辺りからちょっと波打ってる。

2つを直列につないで-30dBアッテネータとして測定。
後半波打ってるがそこまで高い周波数を扱う予定はないので(~500MHz)問題ない。

~おわり~




2014年12月7日日曜日

リターンロスブリッジの試作

GigaStにはTG機能が搭載されている。
これを活用してアンテナの特性を測るためのリターンロスブリッジを作ってみた。

フェライトコアには75Ω不平衡⇔300Ω平衡の変換を行うコネクタに内蔵されていたメガネコアを使用した。
奥側のSMAコネクタがRF入力、手前のSMAコネクタがRF出力、
BNCコネクタに測定対象を接続する。

100Ωのチップ抵抗を2パラで使用。

自作の50Ωの終端抵抗を接続。

測定は測定対象を外して(開放)平均化を掛けてから行う。

自作50Ω終端抵抗を取り付けた時。

秋月の144/430MHzアンテナ(P-00229)。
エアコン室外機の天板に設置。
共振周波数でディップ点が見える

某6エレ500円アンテナ。
何度がアマチュア衛星リピータからの電波を受信するのに使った。

6エレアンテナを測定(エレメント長さ調整後)。

拡大。
だいたい435MHzで共振してる。
435±5MHzでVSWRが1.3以下くらい。

リターンロスブリッジがあるとアンテナの調整が捗るね!


以下 2014/12/13追記

測定対象が接続されるコネクタをSMAに変更し、ブリッジの抵抗を近くに配置して..

反対側は同じ。


全体を銅箔テープでシールドしてみた。

上記の終端抵抗で再測定した結果。
1000MHzで20dB以下となった。

適当に作った終端抵抗を測定した結果。
雑に作った割には高域まで特性が良かった。




2014/12/15追記
内部のチップ抵抗が断線して故障。
機械的に丈夫な構造に作りなおそう。

~おわり~